みんな昔はこどもだった 池内紀 講談社 2018年03月20日 第1刷発行 253頁 |
本書を手にした理由は、目次で、P180「藤牧義夫」の名前を見つけたからだった。タイトルは「藤牧義夫 父親の全集」という。さすが池内紀氏だけあって、目のつけどころが違う。
藤牧義夫という伝説の版画家が、少年時代に手作りした2冊の本について取り上げているのだ。藤牧義夫が十三歳のときに死別した父親の全集と画集がそれである。作ったのは十五歳だったという。一見、薄汚れた弁当箱のように見えたという。
弁当箱のような手製の本で思い出したのが、江戸川乱歩の『貼雑年譜』だった。この手の本には目がない。
池内紀が見つけたという年が早い。1995年10月、藤巻の故郷上州館林市の第一資料館で開かれた「生誕85周年記念 藤牧義夫 その芸術の全貌」でのことだったという。
かつて、「生誕100年 藤牧義夫展」を見に群馬県立館林美術館へ出かけたことがある。リンク、こちら。
池内紀さんが先月に亡くなっていて驚いた。
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その他の掲載された内容から。幼年時にして、すでに完成されていた人物、『ワンコイン悦楽堂』の竹信悦夫を思い浮かべる。
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