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相棒 season 24 #13『信用できない語手』
2026/01/21(水)21:00 テレビ朝日

ひとつ前のシーズン23(最終話)で登場した政財界のフィクサーとして暗躍し、右京さんが最大限の警戒を抱いている浦神鹿が登場します。そのときの浦が手にしている本はどうやらフェイク、作り物じゃないでしょうか。

『物語の技法』ラファエル・メンデルス・グレイ 著

訳者名と出版社名が絶妙にピントをぼかされていて読み取れないところが悔しい限り。(笑) 書名脇に付された筆記体で書かれた原題かのような文字も読み取れません。ラテン語だったりしたら遊び心が面白い。

こんな書名の本はいくら調べても存在しません。もちろん著者名も同様に偽物のようです。

それにしても、この表紙はよくできています。いかにも翻訳ものの人文書にありそうな装丁です。青土社の雑誌『現代思想』で特集に組まれていそうなイメージ。

著者名 ラファエル・メンデルス・グレイ をグーグル検索にかけてみたところ、Google の AI によれば、

ラファエル・メンデス(Rafael Mendes Godoy、1989年6月21日 - )は、ブラジル出身のブラジリアン柔術家(黒帯三段)であり、世界選手権(ムンジアル)で6度の優勝経験を持つトップグラップラーです

と出てきました。ここでクスッと笑うところでしょう。

ちなみに今回の脚本家は真野勝成さん。ご自身による「X」への投稿があります。ラファエル・メンデルス・グレイ なんて偽名を考案したのも真野さんなのでしょうか。今回のストーリーとうまくマッチングした道具立てです。

それにしても本好きとしては、気になります。

みすず書房には『物語作家の技法』なる本がありました。でも、この表紙は最近の岩波書店の雰囲気がします。または以前の紀伊國屋書店出版部とか。

それとも小道具さんのアイディアかな。

しあわせな妄想は果てしなくつづくのでした。

 ◆ ◆

脚本家真野勝成さんの「X」への投稿から引用 リンク、こちら

サブタイは『信用できない語手』
普通なら「語り手」なんですが、ラテ欄の文字数・改行の都合で「語手」になりました。まだラテ欄という文化は生きている笑

「語り手」の表記が「語手」である理由がはっきりして、すっきりしました。重箱の隅つつくの助の出番が減りました。めでたし。

[NO.1677] 米澤穂信と古典部

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米澤穂信と古典部
米澤穂信
KADOKAWA
2017年10月13日 初版発行
135頁


サブタイトルをつけるとするならば、『氷菓(古典部)シリーズのハンドブック』といったところでしょうか。ファンのみなさまは、ぜひお手元に一冊どうぞかな。

ページ数こそ135ページしかありませんが、なかみの濃さはピカイチです。

巻頭には〈古典部〉書き下ろし短編『虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人』が掲載されてます。
つづく対談者がぜいたく。北村薫、恩田陸、綾辻行人、大崎梢。
米澤穂信に30の質問 作家、声優、漫画家編では、道尾秀介、辻村深月、谷川流、賀東招二、タスクオーナ。
著者による〈古典部〉シリーズ全解説やディープな〈古典部〉隠れネタ大公開! にくわえ、古典部メンバー4人の本棚大公開には参りました。本棚に並んだ背表紙の写真まで掲載されています。この凝りよう、ファンサービスの極みです。
お仕事場拝見はさすがにイラストですが、座り机と机上やその周囲の説明がなされています。
もちろん定番、作者の年表とその解説もあります。

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P.5
Interview〈古典部〉シリーズ15年のあゆみ から
──〈古典部〉シリーズのスタートは1999年、大学の卒論と平行して『氷菓』のプロトタイプを書いたことだそうですね。
米澤 そうです。プロトタイプの主人公たちは大学生でしたが、、投稿作を書くにあたり高校生に作り直しました。それは彼らの世界をダウンサイジングしたかったからです。大学生なら行こうと思えばどこへでも行けますが、高校生の世界は狭い学び舎の中で完結している。そのなかで、時間軸という縦方向の旅をする話にしたほうが、自分の書きたいものに合っていると考えました。
──『氷菓』は過去の出来事について、高校の古典部の4人が真相を探っていく内容です。その話の着想はどこにあったのですか。
米澤 北村薫先生の『六の宮野姫君』を読んだことが大きかったです。(以下略)

大学生が登場人物を大学生の物語を書くというのは、いかにもありそうです。それを高校生にダウンサイジングしたというところがポイントだったのでしょう。

『氷菓』の着想になったという北村薫さんの『六の宮野姫君』高校生にダウンサイジングした ら、いったいどんな話になったでしょうか。