シェーネルの地球図 1523(『標準世界史地図』吉川弘文館)

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先日アマゾンで購入した吉川弘文館の『標準世界史地図(2024―2025年版)』。画像も文字も小さいのが難ですが、薄っぺらなのに内容が濃く、見ていていつも時間を忘れます。

で、気になったことが。

『標準世界史地図』の表紙をめくった本扉に図版が入っています。

シェーネルの地球図 1523

ところが、こちらの氏素性、出典が皆目わかりません。ネット検索しましたが、結局のところわかりませんでした。

おそらく人名シェーネルさんが1523年に作製したのだろうと見当を付け、ネット検索したのですが、それらしいものがヒットしません。「検索条件と十分に一致する結果が見つかりません。」だそうです。

googl画像で表示させると、オークションサイトでの地球儀の写真にまじって、『標準世界史地図』の中扉画像が2枚出ました。検索語句を少しずつ変更させると、タイトル「大航海時代とルネサンス」というサイトがヒットしました。トップページに「シェーネルの地図」という文言があります。リンク、こちら  残念ながら図版はありませんでした。

大航海時代以降の世界地図の図版が掲載されたサイトでは、大阪工業大学「周縁副図から辿る世界地図の系譜」がありました。リンク、こちら  

結局のところ、「シェーネルの地球図」はネット上からは見つかりませんでした。似ていそうなのが、このあたりかな。

和泉市久保惣記念美術館 デジタルミュージアム ジェラルド・メルカトル、ヨドクス・ホンディウスの世界図 リンク、こちら 

大陸移動説の図版は、いくらでもヒットするのですがねえ。

検索しながら、疑問に思っていたことがあります。どうして『シェーネルの地球図 1523』は、地図の中央位置に日本を持ってきたのでしょうか? (実際には日本列島は記載されていませんが)

大航海時代やルネサンス期に作られた地図を見ていると、当然のことながらヨーロッパが中央に配置されています。日本を含め、東アジアは右の隅。16世紀の地図では日本の表示がなかったりします。

ところが、この『シェーネルの地球図 1523』では、ヨーロッパが左隅に追いやられ、描いてはない日本(の位置)が中央に置かれた、見慣れている大陸配置。この理由がわかりません。

 ◆ ◆

こんなリンク先を見つけることができたのは、成果のひとつでした。

古地図コレクション 国土地理院所蔵 リンク、こちら 

国土地理院ウェブサイト内のデジタルアーカイブです。


トップページに、こんな記載がありました。

カテゴリー
古地図の分類は、山下和正著『地図で読む江戸時代』(柏書房)による分類基準などを参考に、以下の基準に基づいています。

『地図で読む江戸時代』は定価 16,500円 もしたのが、アマゾン古書価格では1/3。