ジープが町にやってきた/終戦時14歳の画帳から/平凡社ライブラリー 大塚康生 平凡社 2002年07月10日 初版第1刷発行 158頁 |
[NO.1486] 神保町の蟲/新東京古書店グラフィティ の中で紹介していた。文庫化される前の単行本は入手しにくかった。
著者大塚康生さんは、NHK朝ドラ「なつぞら」で川島明さんが演じた東映映画のアニメーターのモデルになった人。ルパン三世や未来少年コナンなどにも作画監督などで関わっている。
本書は大塚康生さんが少年時代にスケッチした進駐軍の車を中心に掲載している。ルパン三世に出てきた車のかっこよさを思い出す。後期に頻出するフィアットよりも、初期のメルセデスなどのボンネットが長いオープンカーの方が個人的には好きだったな。
本書を見ていると、そうしたメカニックな作画を想起せずにはいられない。
イラストは進駐軍の車だけでなく、キャタピラーのついた工事用車両や蒸気機関車なども掲載されている。どれもメカニックなところがいい。まるで田宮のプラモデルの入っていた箱のイラストみたい。
万年筆で罫線のあるノートに描いたままの絵も載っている。『NO.1486 神保町の蟲』著者も書いていたが、初期のややデッサンがゆがんでいるような絵の方に魅力を感じる。
惜しむらくは、すべてのイラストが白黒なこと。文庫化される前の『大塚康生16歳の車の画帖 終戦直後の日本の路上にて』はカラーだというので、そちらも見たくなった。
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