世界と闘う「読書術」/思想を鍛える一〇〇〇冊/集英社新書0715C 佐高信、佐藤優 集英社 2013年11月20日 第1刷発行 2013年11月30日 第2刷発行 |
著者お二人の対談面白し。まず、やりとりが楽しい。どちらかといえば、年長者の佐高氏が佐藤氏に聞く場面が多い。不思議とそこに違和感がないところが面白かった。
なによりも、紹介している本の多さが嬉しい。延べにして何冊になるのやら。サブタイトルにあるとおり千冊になるだろう。30年くらい前、こうした本を紹介する本は、たくさんあったのに、このごろとんと少なくなった。
全部で9章からなる構成。それぞれの章ごとに本文中で話題になった本を「必読ブックリスト」として掲載してある。さらに対談中に挙げられなかった本として、二人のどちらが推薦しているのかがわかるよう、色分けして表になっている。
出版社サイトに本書のページがあった。「試し読みページ」で巻頭の目次を読める。リンクこちら。
佐高氏がイスラムのことを知るのにいい本はどれかを質問すると、佐藤氏が挙げたのが放送大学の教科書『イスラーム世界の歴史的展開』だった。これには納得した。
理科系でも文化系でも何でも、一番てっとり早いのは放送大学の教材なんです。基本講義一五回で大学の半期分、一週間一回九〇分授業に合わせて作られていますから。
個人の書評をよむよりも、二人のやりとりの中にある面白さの方がいい。
本書でも感じたこと。
その時代に生きる人々にとっては当たり前のことであっても、後の時代では当たり前どころか皆目見当もつかなくなってしまっていることがあるということ。あまりにも当たり前すぎて空気のようなことほど、後の世ではわからなくなってしまっていることは多い。本を読んでも書いてないようなその当時での常識は、直接、話をしないことには伝達できないのだろう。いわゆる、いわずもがな。
【追記】
松岡正剛さんとの対談で本を紹介している新書がある。[NO.1432] 読む力 リンク、こちら
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