[NO.1189] 三國連太郎=沖浦和光・対談 上/浮世の虚と実

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三國連太郎=沖浦和光・対談 上/浮世の虚と実
三國連太郎沖浦和光
解放出版社
1997年11月20日 初版第1刷発行

以前に読んだNO.458『「芸能と差別」の深層/ちくま文庫』(三國連太郎 沖浦和光著・筑摩書房刊)を思い出す。三國連太郎の歩んだ人生はすごい。上記の本で知ったとき、びっくりした。今回は、すでに知っていたので衝撃度は小さかったが、途中、俳優として20年ほど経ってから離婚し、死ぬ覚悟で出かけたというアフガンあたりの話から、やっぱりおかしなことになってくる。仕事もそれなりにやっていたけれども、次第に精神的にもやもやしてきて......。で、インドから西へ向かったのだとか。死ぬなら鳥葬がいいと思ったとか、この人、やっぱり変。

3千万円使って9人のスタッフを引き連れ、撮影に臨んだけれど、最後はお金が尽きて帰国。それから仏教を手がかりに本を読み、それから付けたノートが50冊をこえ、「白い道」という脚本を書き、野間宏に会いに行き、脚本が上手くいかずに今度は小説にしたとのこと。その原稿が千枚。

本は、それから芸能の話に移ってゆくのだが、下巻はそれらが中心のはずなので、どうなることやら。やっぱり、読まずばなるまい。

※   ※   ※

この人が「浮世」というと、やっぱり山本夏彦翁に通じるところがある。

この上巻の白眉はp215からの大阪での出来事だろう。そこで出合った藤本君が背中を押してくれ、占ってもらったところがいい。ところでこの藤本君、その後はどうしたのだろうか。

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