月面にアームストロングの足跡は存在しない 穂波了 角川書店 2024年08月02日 初版発行 244頁 |
【ネタバレあり】
いきなり元も子もない話をすると、いったいどうして登場人物を(何人も)死なせてしまったのか、びっくりでした。
これって、エンタテインメント小説じゃあなかったの???
もしかして、本当に登場人物の成長を描いたビルドゥングスロマンなんでしょうか。
本当かね???
◆ ◆
宇宙船に乗った6人のうち2人が日本人で、残りの4人がアメリカ人というのもご都合主義といえば、そうかもしれないけれど、まあ、青少年向けの物語やB級SF映画にはあり得ることなので、あんまりそこをつついてもなあ、という気がしないでもないけれど。
昔の低予算映画では、スペースオペラもので出てくる地球人が全員同じ国の人しかかいないのは、あたりまえのことで、だれも疑いもしませんでした。実写版以外にも、マンガでSFものでも、人間はぜんぶ日本人しか出てこない冒険宇宙物語なんてのもありました。
ISS国際宇宙ステーション訪問者の国籍からみると、人数では日本が4番目。だからって、それがどうとも言えないか。
◆ ◆
出だしはそれなりに、よかったのですがねえ。こういうのが、いまどきの小説なんですかね、って、浦島太郎状態。
きっと、どこかの書評で取り上げられていたのが気になっていました。久々に手にした新しいSF小説でした。
もともとが雑誌の連載などではなく、まったくの書下ろしだとあります。だから、なんだ? という訳でもないけれど、そもそも本作は、どこを目指した作品なのか。それがわかりかねます。
◆ ◆
巻末にある参考文献の多さに驚きました。
21冊です。
コメント