ドラマ版『カササギ殺人事件』ポスターのへんてこな日本語について

カササギ殺人事件
制作:2022年 イギリス
尺:約60分×全6話
原作・脚本:アンソニー・ホロヴィッツ
AXNミステリーWOWOW

「このミステリーがすごい!」と「本屋大賞」で2019年の1位になったアンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』ドラマ版(全6話)を見ました。

創元推理文庫で読んだのが2020年の年末でしたが、すっかりストーリーを忘れていました。リンク、こちら。原作と違って、ドラマ版では作中に出てくる小説の主人公が現実の場面に出現して会話まで交わすという演出。うっかりするとどっちの登場人物か混乱します。

ドラマの第1話を2度も見て、やっと思い出してきました。白状すると、1度目の途中で居眠りしてしまい、仕方なく初めから見直したというのが本当のところですが。

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前置きはこれくらいにして、今回ドラマを見ていてビックリしたことがありました。出版社のCEOの部屋に小説のポスターが何枚か掛かっているのですが、そのなかの一枚が日本語なのです。文字が縦書きなので目立ちます。この出版社では、日本語にも翻訳して出しているということなのでしょう。おそらく、日本のファンへ向けたサービスかもしれません。

ところが、このポスターの日本語がおかしなことになっています。日本語ではあり得ない、へんてこな日本語のポスター。これが気になってしかたがありませんでした。海外で作られた映画などで、ときどき見かける「アレ」ですね。

第3話と第6話に出てきます。

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ポスターの文字を抜き出してみました。

世界的ベストセラ 第一位
アティカスの赤い薔薇

フ供ァンにごちそうを提
金時代のミステリ
コンウェイは黄

アランコンウェイ  クローバーブックスが出

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右側の一行目から見ていきます。
「ベストセラ」というのは「ベストセラー」のことでしょう。「コンピュータ」というのは見たことがあります。ですが、「ベストセラ」は明らかに脱字でしょう。

「アティカスの赤い薔薇」だけは間違いがありません。

中ほどの白い字で書かれた「わかちがきの3行」が意味不明です。
推測するに、この3行は左の行から右の行へと読ませたいようです。
おそらく「コンウェイは黄金時代のミステリーファンにごちそうを提供」とでも、したかったのでしょうか。
熟語の「黄金」を行替えして分断したり、「フ供ァン」にいたってはコピペのミスでもしたのかもしれません。初めは文字化けかと思いました。

最後の行「アランコンウェイ」は作者名なので、姓と名の間に中黒を入れて、「アラン・コンウェイ」とすればいいでしょう。

そのすぐ下にある、「クローバーブックスが出」。これは出版社の名前を書きたかったのでしょう。「が出」というのは、意図がわかりません。小さくて画像が読み取りにくかったので、別の画像に切り出してみました。

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すでにミステリーマニアのあいだでは話題になっているかと思ったら、検索にヒットしなかったのでupしてみました。けっしてミステリーマニアではありませんが。感覚としては【重箱の隅つつくの助】でしょうか。

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