[NO.1565] こんなに簡単! こんなに役立つ! ダンドリ・整理術 モノグサ私の方法

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こんなに簡単! こんなに役立つ! ダンドリ・整理術 モノグサ私の方法
大迫秀樹
明日香出版社
2010年02月07日 初版発行
211頁

今から12年も前に出版された本なので、SNSは出てこない。Facebook、Twitter、Instagram、YouTubeさえもふれていない。それでも、いやだからこそ、いまでも古びていない提案があった。アナログだけでなく、具体的なデジタル活用についても紹介している。モバイルは省いてしまうという主張は明快。まえがき(「はしめに」)に自分の例として紹介としているのが、「いっそ図書館のなかに住めないか」。

自室にあふれる資料(本の山)をなんとかしたい。ならば、と考えたのが先の「いっそ図書館の......」。さすがに図書館のなかは無理でも、図書館のすぐ近所に見つけることのできた「住宅」を購入してしまったというのだから、並の覚悟ではない。

著者のすがすがしいまでの潔さにほだされて通読したところが、なきにしもあらず。

根幹は発想の転換みたいなもの。

P.41
私は時間を使うのではなく、「区切られた時間」に使われている

というような。
具体的には「起床から家を出るまで」「家を出てから会社に着くまで」「仕事開始から昼休みまで」のような例。これを発展させると(書いてはいないけれど)、「ポモドーロ・テクニック」になる。本書の出版された2010年ころの日本では、まだ紹介されていなかったはず。キッチン・タイマーのかわりに、音楽CDを流したり(あらかじめ曲の時間がわかっているものを使う)、フリーソフトを探したりして、最後にはキッチン用のタイマーを利用しているとある。タニタ製が「デスク脇の友」だそうです。びっくり。

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P.47
ノンフィクションライターの野村進氏は、やる気を出す方法として、ペンシャープナーを持つことを提唱しています。ペンシャープナーとは、「文章のカンを鈍らせないために読む本矢、原稿を書く前に読むお気に入りの文章」のこと。野村氏は心を動かされた表現をメモ帳に書きとめ、執筆の前に読み返して、気分を高めるそうです。(講談社現代新書『調べる技術・書く技術』より)

大迫さんは本や文章にこだわることはないとして、ほかに絵画でも音楽でも、恋人や家族の写真でもいいとしています。

「ペンシャープナー」でネット検索をかけると、佐々木直彦さんのブログ「コンサルタントの事件簿」がヒット。「ペンシャープナー」について記事がありました。日付が2011.10.14 。この年には流行ったのでしょうか。リンク、こちら

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久々に見ました。オズボーンのチェックリスト

P.87
〈オズボーンのチェックリスト〉
①転用 新しい使い道、他の使い道はないか。改良・改善できないか。
②応用 似たものはないか。利用できないか。一部をまねできないか。
③拡大 大きくする、数量を増やす、長くする、何かをつけ加えることは可能か。
④縮小 小さくする、数量を減らす、短くする、何かを取り除くことは可能か。
⑤変更 形式・種類・色・形・様式・意味を変えられないか。
⑥代用 他の材料に、他の人間に替えられないか。
⑦置換 順序を替えられないか。原因と結果を入れ替えられないか。
⑧反対 役割・前後・左右を逆に、立場を反対にできないか。
⑨結合 複数の機能やアイデアを結合できないか。

たくさんある思考メソッドの中で、どこでもひとりで取り組め、マインドマップやブレインストーミングなどと違って、紙やペンを必要とせず、時間も場所も相手も選ばないといいます。

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本の整理術の特効薬はなさそう。

P.160
どの整理術本を見ても、冊数か空間で区切って処分する以外に方法はないようです。

空間というのは本棚とか段ボールとかのこと。やっぱり無いのですね。ああ、図書館のなかに住むというのがありましたっけ。

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パソコンについて。

P.164
デュアル&二刀流でいこう!

「デュアルモニター」と「ツインマウス」のこと。モニターをふたつというのは知っていましたが、ツインマウスにはびっくり。

P.167
キーボードの左右にマウスを配置します。
通常の作業を行うときは右マウスを、メモを取ったり、テンキーを打ったりするときは左マウスを使います。

P.167
細かい作業の時には右マウスを使いますが、ファイル選択やフォルダ開閉などは左マウスで十分です。不器用な方でも、この程度の操作なら2~3日で慣れます。

驚くしかない。

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メール管理、ファイル管理など、懐かしさを覚えてしまった。Evernoteは今、どうなっているのだろう? 愛用されているのかな。

付録、オススメの整理グッズからは、「OLFA 安全刃折処理器ポキ」。

P.203
文房具に求めるのは便利さです。でも、その前に使う気にさせて欲しい。カッターは折ってこそカッター。なのに折るのがメンドーで、その処理にも悩ませれていました。
その気に、刃を折る気にさせてくれるのが、OLFAの安全刃折処理器ポキです。

蓋し名言。「刃がいっぱいになったら、ケースごと捨てられる」と社HPにあるという。ネット通販で見ると、大型も携帯タイプも200円しない。

筆記用具は時代の変遷なのか、ぴんときませんでした。名器というのはあるのかな。お安くて。

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この手の本を読むのは久しぶりだった。山根一眞さんが最初だったような。