古本屋ツアー・イン・ジャパン それから/全国古書店めぐり 珍奇で愉快な一五五のお店 小山力也 原書房 2015年10月30日 初版第1刷発行 339+34頁 |
[NO.1345] 古本屋ツアー・イン・首都圏沿線 の全国版。自分の足で訪問するのは、こちらも同じ。
巻末に特別付録として「古本屋全国ツアー・ガイド 2008 → 2015」34ページ。個人が自分の足で確認したということがすごい。残念ながら、すでに閉店しているところも多そう。
分厚いこの本で、もっともナイスな言葉が、P262 いつまでも あると思うな古本屋 、これでした。自分でも、何度も経験済み。特に今世紀になってから、加速度的に進行中。
巻頭の特別付録「古本屋ツアー・イン・お宅」が格別によい。著者が訪問するお宅は4軒。岡崎武志、池谷伊佐夫、南陀楼綾繁、日下三蔵、どの書庫も並の古本屋を軽く凌ぐ。(この4名に喜国雅彦さんが加わったら無敵なんですがね。)日下さん宅訪問は(私にとって)タイムリーだった。というのは、雑誌『本の雑誌』がこの春、数回にわたって特集を組んだのが「日下さん宅の書庫整理と引っ越し」だったから。この『本の雑誌』連載の写真と説明がとんでもなかった。本書の訪問から、さらに7年経てば、増殖した本の数が普通の人には想像を超える。本書で実際に訪問したのは2014年とあるので、すでに8年が経っていた。
本書のメイン、第一部全国編のなか、たまたま行ったことのある店を見つけた。P061 古書ヒロ書房 茨城・荒川沖。ぱらぱらめくっていると、写真を見て、思い出した。小さな黒い小屋風な建物。ここで買ったのも個性的だったのだが、記録も実物もどこかに紛れてしまった。そのうちに見つかるだろうと思いながら、月日は矢のごとくに。小山力也さんの偉いのは、移動が電車と徒歩であること。古書ヒロ書房もそうですが、地方のバイパスをひたすら歩きます。バスに乗ることもあるけれど、読んでいると歩くことのほうが多そう。P279 古書ワルツ 東京・青梅 では、「歩いてきた人は、初めてですよ~」とまで言われてしまった。
第一部の最後にある特別編「古本屋ツアー・イン・旧江戸川乱歩邸&土蔵」は、個人的にはさほどではなかった。すでにテレビカメラが入ってしまっているし。もっとも、その録画ファイルがまた、どこに紛れ込んだかが、もんだいですがね。ここに収められた乱歩邸(土蔵)写真、どれもプロの腕みたい。4人のお宅訪問写真は逆光が数枚あったし。
章立ての扉に載っているメモの写真、モレスキン手帖の方眼用紙版みたいですが、どうなのでしょう?
「コラム 古本の隙間に」6編のなか、最初の P035 「塀の前で」がいちばん良かった。次が「マヂエル館にて」。こちらは遠くておいそれと行けそうにないのが残念。
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