決定版!どんどん目が良くなるマジカル・アイ/TJ MOOK 監修 徳永貴久 宝島社 2002年07月03日 発行 2002年10月30日 第7刷 47頁 |
『本の雑誌2021年2月号』の連載記事「生き残れ!燃える作家年代記(22)執筆編」で、鈴木輝一郎さんが紹介していた。
P79
『どんどん目が良くなるマジカル・アイ』(宝島社)っていう、焦点調節の本があります。視力がよくなるかどうかは不明ですが、眼筋をほぐすのにはものすげえ効果があるので重宝してます。
この「眼筋をほぐすのにはものすげえ効果があるので重宝してます」というところに、強烈に惹かれてしまった。
鈴木輝一郎さんは中堅どころの小説家で、作家志望者へ向けての講座もおこなっている。この連載記事では、作家の日常紹介とともに、「こんな工夫もしてますよ」といった記事も書いている。今回の記事では、その「健康」編のなかで、『どんどん目が良くなるマジカル・アイ』(宝島社)を紹介していた。
鈴木輝一郎さんが、この記事で書く内容は、かなり具体的で役に立つ、実用的なことが多い。別段、小説家志望ではないけれど、パソコン画面に向かう時間が長い人には参考になる。
たとえば、
・ノートPCは猫背になりやすいのでデスクトップ派である。
・バックライトを30%ぐらいに光量を落とすことで、目の疲れを軽減している。
というようなこと。
前置きが長くなったのは、そんな鈴木輝一郎さんが紹介しているのだから、きっと効果があるのだろうということが言いたかったのですよ。
なぜなら、この本、ちょっとネットで検索してみても、出てくる「候補」の文言に、胡散臭さがつきまとっている気がしないでもないし。そんなことは百も承知の鈴木輝一郎さんは、だからこそ「ものすげえ」などという紹介のしかただったのでしょうね。
しらべてみると、『決定版!どんどん目が良くなるマジカル・アイ』のほかにも、「マジカル・アイ」シリーズとして、かなりの種類が出版されています。まったく知りませんでした。
内容は、「ステレオグラム」という言葉でWikipediaに出ています。用意された模様を見ていると、次第に奥行きのある立体画像が浮かび上がってくるのです。画像によりますが、なんだか自分が奥のほうに吸い込まれていくような、不思議な感覚におそわれます。言葉で表現するのが難しい。こればかりは、実際に体感しないとわかりません。初めて見たときには、びっくりしました。
『決定版!どんどん目が良くなるマジカル・アイ』には、そんな画像がたくさん収録されている。画像集といったほうがいいかもしれない。
立体的に見えるには、ある程度の慣れも必要だった。個人差もあるかもしれない。自分では、手前のページにあった数枚の抽象っぽい模様よりも、写真やイラスト風の画像のほうが立体的に見えやすかった。最初のページから見ていっても、ちっとも立体的になど見えなかったのに、P10 ●Forest Tropic が、初めて立体的に見えたときには、思わずクラッとした。
個人的には、P12.13.14.24.25 あたりが、立体的に見えやすい。単純な模様では、P27上●Bed of Roses や P41上●Ivy Cube が立体的に見えやすい。細かな模様がびっしり並んだ模様は、いつまで見ていても、立体的に見えてこない。
いったん、立体的に見えてしまうと、たしかに癖になる。目の焦点調節が動いている、働いていることが意識されるというか。この感覚には、なんともいえない不思議なものがある。
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本書の題名には「どんどん目が良くなる」とあるけれど、鈴木輝一郎さんがいうように「視力がよくなるかどうかは不明ですが」、「焦点調節の本」として割り切ってとらえ、「眼筋をほぐすのに」用いれば、いいのではないでしょうかね。
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