メインテーマは殺人/創元推理文庫 アンソニー・ホロヴィッツ 山田蘭 訳 東京創元社 2019年09月27日 初版 2029年11月01日 4刷 487頁 |
先に読んだ『カササギ殺人事件』があまりにも面白かったもので、同じ作者の新作にも手を出してみました。『カササギ殺人事件』ほどではありませんが、この小説もまた、王道ミステリーの路線を継承しています。変な小細工は不要。設定が、頭の切れる探偵と相棒がおとぼけペアであるところは、ミステリー好きの読者に向け、正面から向き合っています。いいぞいいぞ!
着想が面白い。これで、シリーズ化が図れるし。確認すると、やはり次の作品が出版されていました。そりゃ、読んでみたくなりますよ。本作では探偵さんのプライベートが少しだけしか明かされていません。それ以外のところはどうなっているのか、下世話な興味がわいてくるいっぽうです。読者にとって、そこははずせない魅力なんですから。
主人公の探偵が風変わりだというところは、こうしたミステリーでは、備えているべき必須条件なんでしょうね。これからどんな展開が待っているのか、少しずつ明かされていくのでしょう。楽しみです。
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【ネタバレ】
語り手である「私」が、最後にメスを突き立てられるところは、生理的にに受け付けられないので、回避できなかったのかと思いました。
そういえば、『カササギ殺人事件』でも最後の方に、私が無防備だったため、犯人に襲われてしまう場面がありました。似ています。
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