[NO.1528] 絶景本棚2

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絶景本棚2
編者 本の雑誌編集部
本の雑誌社
2020年08月31日 初版第1刷発行
254頁

『本の雑誌』巻頭に毎月掲載されたカラー写真をまとめた特集の第2弾。今さらここに何をか言わんや。本書巻頭の言葉から。

本の雑誌の巻頭人気連載「本棚が見たい!」の書籍化第2弾。
趣味嗜好だけでは片づけられない、各分野乱れ打ちの膨大な本、本、本。
あふれる蔵書はどうやって本棚に収まっているのか。
背表紙からうかがう主の世界。うれし恥ずかし本棚模様、開幕です。

相変わらずの名調子。「うれし恥ずかし本棚模様、開幕です」とは、本の雑誌が季刊誌だったころからの路線がつづくよどこまでも。

出版社サイトに、目次と紹介がある。リンク、こちら

初出
「本の雑誌」2017年5月号~2020年1月号「本棚が見たい!」書斎篇より再構成
おまけの魔窟・山本貴光 撮り下ろし

 ◆  ◆

「威風堂々の巻」夢枕獏、水鏡子さんは図書館級、いやそれを軽く超えている。どれもが美しい。費やした金額が違う。
その点、他の人たちは千差万別、個性豊か。それぞれ特化した分野が見え隠れする。

小山力也さんが潔い。本棚になんぞ収まっていない。その逆なのが未読王さん。足の踏み場もないほどに本があふれていたのが、今や建て替えた書庫に本が整然と並ぶ。そういえば、『未読王購書日記』はまだ未読だった。

穂村弘さんの言葉がいい。

P174
この棚は「ほぼ読まないけど、手放すと二度と手に入らない可能性が高い本が死蔵されている」(以下略)

「そのとおーり!」と財津一郎さんふうに声を張りたい。「手放すと二度と手に入らない可能性が高い本」を手放したことのある人には、痛く刺さる。次から次へとあまた思い浮かぶ。なんだろうなあ、この感覚。大人になってから処分してしまった子どものころの愛読書など。それに、同じ内容だから文庫があればいいや、と場所(空間)を確保するため処分した単行本の数々。箱入りなんぞ、今になってはおいそれと手に入らないのだ。

 ◆  ◆

まったく関係ないのだが、ページをめくりながら、かつて手放した本を偶然に発見した。P109栁下恭平さんの本棚、コリン・フレッチャーの『遊歩大全』が並んでいた。

調べてみると、今は文庫で一冊になって出ているらしい。かつては2冊だった。カバーとして柔らかい(けれども上部な)透明ビニールがかかっていた。デザインはこの文庫と変わらない。すぐに思い出した。

バックパッカーというアメリカ文化が新鮮だった。日本の登山文化とは違い、こんな伸び伸びした文化があったのか! と驚いたものだ。