[NO.1495] 東京の美しい本屋さん

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東京の美しい本屋さん
田村美葉
エクスナレッジ
2019年12月23日 初版第一刷発行
155頁

以前なら「ムック」と呼ばれた大判な雑誌で扱われた内容です。タイトルのとおり、東京の「美しい本屋さん」の「美しい写真」がたくさん掲載されております。外国の古書が並んだ書棚の写真にうっとり。著者が自分で撮ったのかと思ったら、撮影はプロのカメラマンでした。

撮影 上原未嗣
デザイン 山本洋介(MOUNTAIN BOOK DESIGN)
印刷 株式会社シナノ

どうしてそんなことを思ったのかというと、著者紹介に「東京エスカレーター」というエスカレーターの専門サイトを運営しているとあったからです。リンク、こちら

サイト内にはエスカレーターの写真があふれています。いかにもスマホで撮った風のものから、輝く吹き抜けの中にエスカレーターが映える凝ったものまで。

なるほど、エレベーターを東京の美しい本屋さんに置き換えたと考えるといいのかも。
本書でいう「本屋さん」は新刊書店も古書店も区別をしておりません。そういえば、一つのお店の中に新刊と古本の両方を扱っているところもあります。さすがに書棚やコーナーは分けていますが。

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本屋さんの中にカフェを併設するお店が出てきたのはいつごろからだったでしょうか。ひところ流行ったのが、やや落ち着いてきたのかと思っていました。いくつかのそうしたお店に入ったはいいけれど、どうもむずむずするような感じがして、あわてて出てしまうことを何度か繰り返し、今では自分に縁のない場所だと思っていました。

それがこうしてページを繰っていると幸せな気持ちになれるので、お手軽です。

古書会館の古本市の方が、掘り出し物に遭遇する確率は高そうなのですがね。それよりも眺めていてうっとりすることの方が、こちらの本の編集としての立場なのかもしれません。

にぶいわたしには、ここでやっと気がつくことができました。そうです。書名には「美しい」とあったのです。一般的な古本屋さんは「美し」くはないのでしたか。

ましてや、家中が本であふれているとか、本棚に2列で押し込んでいるとか、果ては床から階段まで本が積まれているとか。止めておきます。要するに、詰め込んでは駄目ってことなのですね。ゆとりがないと美しくはないのか。

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「ふるカフェ系 ハルさんの休日」というNHKの番組がありました。古民家を再生したお店を紹介しているこの番組と本書のきれいな写真がちょっと似ているような。

出版社サイトに目次として掲載書店が出ている。リンク、こちら。惜しむらくはアップされているのが店名だけなので、せめて最寄り駅だけでもわかると嬉しい。

■掲載書店
ROUTEBOOKS/TIMELESS/松庵文庫/Books and Modern + Blue Sheep Gallery
Galerie LIBRAIRIE6シス書店/KAIDO BOOKS & COFFEE/Under the mat/パン屋の本屋
BIBLIOPHILE/book obscura/弥生坂 緑の本棚/かもめブックス/東塔堂/ 6次元/POST
Title/Meggendorfer/いちは堂/クラシコ書店/よもぎBOOKS/マルノウチリーディングスタイル
本とコーヒーtegamisha/古書コンコ堂/nostosbooks/B&B/dessin/青と夜ノ空
旅の本屋のまど/BOOK LAB TOKYO/Readin' Writin' BOOKSTORE/SPBS本店/文喫/SO BOOKS

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書棚に並んだ背表紙から、書名を見ているのも面白い。