勘違いしていた『本の森の狩人』

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人生 使用法
ジョルジュ・ペレック
酒詰治男
水声社
1992年6月30日 初版第1刷印刷
1992年7月10日 初版第1刷発行
731頁

税抜きで5000円もする本『人生使用法』の中に出てくる次の逸話を思い出していた。

『本の森の狩人』(筒井康隆 著、岩波新書275)
P130
もちろん主要人物というのはいて、それは四階に住む富豪のバートルブースと、八階に住む画家のヴァレーヌである。バートルブースはいわば蕩尽の人生を歩もうと決心する。まず十年間、彼は同じアパートのヴァレーヌから水彩画の手ほどきを受ける。次いで彼が九階に住まわせている給仕長のスモトフを供につれ、二十年間、世界各地の港をまわって絵を描く。絵は次つぎとアパート七階に住む職人のヴァンクレールに送られ、ジグソー・パズルに加工される。この五百組のジグソー・パズルはバートルブース自身の手で、二週間にひと組ずつ、二十年かかって組み立てられ、九階に住むモレレの手でもとの海洋画に復元され、ふたたびそれが描かれた各地の港に運ばれ、そこで海水に洗われて白紙に戻されてしまうのだ。
このような奇妙な人生、(以下略)

これが紹介されている本が、どれだったのかを忘れていて、気になって仕方がなかった。

筒井康隆が紹介していたこと、本は新書版だったことまでは記憶にあったのだが、それがどれだったのか、思い出せずに手間取ってしまった。あれこれひっくり返してみたものの、見つからない。

完全に勘違いしていたのだった。結論からいえば、『本の森の狩人』にあったのだが、この本は何度も見返したのに、そのときには見つけられなかった。

しかも、自サイト内で検索すると、『人生 使用法』は既読だった。