[NO.1430] みちのきち 私の一冊

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みちのきち 私の一冊
國學院大學みちのきちプロジェクト 編者
弘文堂
2018年04月30日 初版第1刷発行
254頁

國學院大學が学生のために推薦書を依頼し、まとめたもの。紹介者109人は多彩にわたり、推薦書109冊も広範囲。人も装丁も豪華絢爛。このためにプロジェクトを組んだという。これで定価1800円はお安い。

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装丁が天金は持っているけれど、天地小口と「三方金」なのは、ほるぷ出版の名著復刻シリーズしか蔵書にない。(実際の色は金ではないが。) 紙質が上等で写真がすべてカラー刷り。片側1ページがまるまる紹介されている本の写真なのだが、それぞれ撮影の仕方に凝っている。本の脇に小物を配したり、背景をきれいにレイアウトしたり。すごい。109名という推薦者の肩書きも、財界人・政治家から各界の著名な方々ばかり。手間とお金がかかっていそう。大学がここまで手をかけている本の推薦書というのは見たことがない。

書名にある「みちのきち」由来は、読書をとおして「未知」を「既知」に、「道(人生)」の迷いに向き合う「基地」を見つけてほしい、「機知」に富んだ会話のできる大人になってほしいという想いをこめたとのこと。これって、執筆依頼のときに都知事をはじめ、各寄稿者に説明したのだろうか。
p152『快楽としての読書』(丸谷才一 著、ちくま文庫) 祐乗坊英昭こと嵐山光三郎氏が書いているが、1960年代の國學院の語学教師は多彩だった。丸谷才一、菅野昭正、吉田健一。丸谷才一先生がご存命だったなら、必ず原稿依頼していたのだろうな。巨漢だった篠田一士氏の名前、久しぶりに目にした。

ページレイアウトは、見開きで1人1冊で統一している。寄稿者によって字数が異なる。したがって、字数が多いとフォントが小さくなってしまい、p235 有川浩氏、p237 幅 允孝氏では文字の大きさがルビなみのため、読みにくい。もったいない。