新約聖書Ⅰ/文春新書 新共同訳 解説・佐藤優 訳者 共同訳聖書実行委員会/日本聖書協会 文藝春秋 2010年(平成22年)10月20日 第1刷発行 2016年(平成28年)02月25日 第8刷発行 |
文春新書から出版された「新訳聖書」です。新書版の聖書というだけでもインパクトがあります。
「マタイによる福音書」「マルコによる福音書」「ルカによる福音書」「ヨハネによる福音書」が収められており、それぞれの頭には著者による「案内」が添えられています。その中、「ルカによる福音書」の案内には、(びっくり)『源氏物語』が登場します。
聖書を読みやすくしてくれた一冊でした。最初にまず著者の文章に目を通してから本文を読んだ方が、それ以降が読みやすく感じました。その後、それぞれの本文を読みふけってしまいました。
巻末の「非キリスト教徒にとっての聖書――私の聖書論Ⅰ」が興味深かったです。読ませます。なにしろ、佐藤優さんは同志社大学神学部の出身です。
柄谷行人著『世界史の構造』が出てきたのには驚きました。著者佐藤さんは本書の読者として、宗教に特別な関心をもっていない標準的な日本人を想定したとありました。なるほど、こうやって聖書を読むこともできるのか、というのが感想です。佐藤さんは高校生のときから、マルクスの読書会に参加していたと以前読んだことがあります。『資本論』の読み方には時間をかけているはずです。
出版年が2010年です。菅直人の考え方の紹介もありました。なるほどです。で、現在を著者はどのようにとらえるのでしょうか。いろいろなメディアに書いているのは、この延長線上なのでしょう。
コメント