東京するめクラブ 地球のはぐれ方 村上春樹、吉本由美、都築響一 文藝春秋 2004年11月16日 第1刷発行 2005年12月25日 第3刷発行 |
こんな楽しそうなこと、やっていたんだ! というのが最初の感想。その昔やっていた安西水丸さんと対談みたいな感じ。ゆるーい、たのしそうな雰囲気。で、経費は出版社持ちで旅までしちゃったとは。
内容は今が旬の場所からはほど遠いところばかり。熱海、ハワイ、江ノ島、サハリン、清里。地名も目をひくし、並べ方の順番も工夫してあるみたい。ちょっと見には地味に見えて、企画から編集、製本まで、お金がかかっている。このメンバーだしね。
3人がそれぞれ文章を綴っていて、文末に名前がある。分量は吉本由美が一番多そう。それぞれの章末には3人での対談がある。
ところどころ、揶揄しあっているような中、活性化するにはどうしたらいいのか、なんて真面目なことがたくさんでていた。特に3人による対談のなかに。視点をずらしてあげれば、さびれずに済むのに......といったような。(名古屋は別ですよ。ここはその特異性がポイントだったのだから。)
ふーんとおもったこと。村上春樹が都築響一のことを呼ぶのに「都築響一くん」。
それから村上春樹が書いている中に「山本夏彦(みたい、だったかな)になってしまう」というような記述があった記憶があるのだが、何度読み返してみても見つからない。村上春樹と山本夏彦の取り合わせがあまりにも異なるので目をひいた。村上春樹さん、いったいどんな山本夏彦の本を読んだのか、気になる。
コメント