武器としての交渉術 瀧本哲史 星海社 2012年06月25日 第1刷発行 2012年07月12日 第2刷発行 |
目次が出てくるまでに、ガイダンスと称する内容が49ページもあった。面白い。
交渉とは説得することではなく、相手が納得する結論を得ること。そのために、まず相手の話をたくさん聞くこと。相手の利点を模索する作業が交渉の主眼。もちろんそういった合理的な相手ばかりではないので、
p242
6タイプの「非合理的交渉者」
①「価値理解と共感」を求める人
②「ラポール」を重視する人
③「自立的決定」にこだわる人
④「重要感」を重んじる人
⑤「ランク主義者」の人
⑥「動物的な反応」をする人
という項目が出てくる。最後の⑥が一番多かったりして。
以下、気になったこと。
p46
前著の『武器としての決断思考』(星海社新書)では、ディベートの考え方を使って、個人が「いまの最善解」を見つけ出していくための思考法をお伝えしました。
その次の段階として、本書を出したのだという。
p73
なぜお金を儲けることが大事なのか?
筆者は京都大学の教養課程の授業で「お金を儲けることがいかに大事か」という話必ずしているという。これも筆者の特徴、戦略。
p82
当面必要となる以上の経済的な余裕があればこそ、本書のような「若者を支援する」目的の本が書ける。もし、「多額の印税」を得るためならば、読者人口が多く、お金も持っている団塊の世代対象の「老い」の本でも書くという。この身も蓋もないところが、筆者の特徴だろう。
p139
「バトナ」とは、英語の「Best Alternative to Negotiated Agreement」の頭文字をとった言葉なんだそうだ。言い換えると「相手の提案に合意する以外の選択肢のなかで、いちばん良いもの」という意味だという。
p146
「コモディティ」とはバトナがない状態
筆者の著書『僕は君たちに武器を配りたい』(講談社)のなかで、これから社会に出ようとする若者に向けて「コモディティ人材になるな」というメッセージをくり返し述べたのだという。「コモディティ」「バトナ」といった語句が目新しい。これを和語に置き換えたら、どうなんだろう。
なるほど、先日『僕は君たちに武器を配りたい』を読んだが、それが趣旨だったのか。(笑) これから社会に出ようとする若者に向けて「コモディティ人材になるな」というメッセージをくり返し述べていたのだったっけ?
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