[NO.1402] 本の話何でもあり屋

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本の話何でもあり屋
井家上隆幸
リブリオ出版
平成7年7月31日 初版第1刷発行
再読

井家上隆幸氏はかつて愛読していた『量書狂読』の人という印象だった。この人の歩んだ道がそもそも面白い。ぎりぎり昭和一桁のお生まれ。三・一書房をスタートに数々の本を出し、今年1月に亡くなっている。84歳。

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で、書店に行ってプレゼントしたのが、福本勝清『中国革命への挽歌』(亜紀書房)、『中国共産党外伝』(蒼蒼社)、バーネット・ボロテン『スペイン革命――全歴史』(晶文社)、王凡西『中国トロッキスト回想録』(柘植書房)、高村薫『照柿』(講談社)、辺見庸『もの食う人びと』(共同通信社)、それに隆慶一郎『影武者徳川家康』『一夢庵風流記』(新潮文庫)

団塊の世代よりも一回り上。今、こうした文章は目にしなくなって久しい。高村薫、辺見庸、隆慶一郎の本をプレゼントされることはあっても、前半の人名・書名をもらうことなど考えられないだろう。

『量書狂読』との違いは社会的な内容が書いてあること。井家上氏が専門学校で若者と接しての感想が面白し。歴史に無関心で今、自分の周りの世界だけで完結してしまっているという。この時からすでに10年以上が経過している。