[NO.1364] 「戦前」という時代

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「戦前」という時代
山本夏彦
文藝春秋
昭和62年11月1日 第1刷発行

てっきり既読かと思いきや、記録にはなかった。読んでいても、記憶が曖昧(笑)。

『誰か「戦前」を知らないか―夏彦迷惑問答』 (文春新書)は忘れがたい本だっただけに、タイトル「「戦前」という時代」についての記述は本書の最初、~p43までのみだったので、ちょっとがっかり。ただし、山本夏彦翁の昭和10年代について、一番具体的な記述があったことが収穫。前述の文春新書とも重複する内容だが、就職から結婚、新婚時代までのあれやこれやがより紹介されている。ただし、招集をどう逃れたか、さすがに具体的には明かされていないが。昭和十八年召集令状が来たが即日帰郷で返されたとしか書いていない。横須賀の海兵団だった。

スタイル社の松井直樹の推薦で昭和十六年にI社から百円の月給とりになったとある。手下が二人しかいない責任者であるとも。新事務所は麹町隼町。I社の本業は画集画論などの出版。

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残りの文章はほとんど他でも読んでいた内容。文学関連が多い。質屋通いの経験談は本書が詳しい。