このミステリーがひどい! 小谷野敦 飛鳥新社 2015年8月8日 第1刷発行 |
一刀両断、主観で判断しているのだから、傍からとやかく言ってもなあ、という本だろう。これまでの読書界で言われていた......とか、そういう読み方をしなきゃダメだとか、読書界(そんな界が、現在あるのかわからないが)での常識にとらわれない、自分の思ったとおり書いている。好き嫌いは個人の自由。そうするとこんなにスッキリした部分があるよ、というのが本書の魅力かな。まあ、それだけこの分野にはいらぬ流儀みたいなものが邪魔していたのかもしれない。
出版社(飛鳥新社)サイトに、正誤の頁が解説してあった。リンク。
ふーん、これが今どきのやりかたなんだ。小さな紙切れに印字した正誤表がはさまっていたものだが。
本書の特色は、著者ご自分の読書遍歴とからめているところ。途中、カテゴリーでまとめようとして、微妙に時間が行ったり来たりするところもあるが、わかりにくくはない。と、同時に純文学からSF、漫画にも言及するから、それはそれは幅広く膨らむ。最後の章など、ミステリの方が少なくなってしまった。
実は、抜粋を始めるととんでもない分量に膨れ上がってしまい、とても公開に耐えられないことに。
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