教えたくなる名短篇/ちくま文庫 北村薫、宮部みゆき 編 筑摩書房 2014年6月10日 第1刷発行 |
本を読むのは著者について興味をもったからという理由が強い。これは小説であっても同様だったような気がする。同一の著者の本を追いかける習慣が染みついてしまっていたのかもしれない。ついでにいえば、著者に関連した別の作家や研究者、編集者へと興味の対象が移ることもあった。
しかし、本書では、そんな人脈だとか、文学の潮流だとか、弟子関係だとかは、まったく関係ない。アンソロジーを編む観点が斬新に感じた。前回の「今回の課題図書」でも読んだ、『謎の部屋/謎のギャラリー』北村薫編/ちくま文庫からの関連で手にしたのだが、どちらも読み出すとやめられなくなる。こうしたアンソロジーを編むという作業は、頭の中であれこれ選択、順番を考えている時間が楽しいのだろう。
本来の物語を読みふける楽しみから、この頃遠ざかっていたような気がした。
若かりし頃、親しい友人とマイナーポエットを競い合って読んだ。巻末の北村氏と宮部氏のやり取りを読み、その頃のことを思い出した。それにしても、これだけ幅広くは読めない。
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