榛地和装本 終篇 藤田三男 ウェッジ 2010年3月25日 第1刷発行 |
題名が読めなかった。「榛地」の「和装本」かと思った。本名藤田三男氏が装本家としての筆名を榛地和として発表した文章をまとめたものが本書。
藤田三男氏は1961年に河出書房新社に入り、1979年退社。同時に木挽社を設立して独立、「新潮日本文学アルバム」等数々の企画・編集に携わるとのこと。したがって、河出時代の話には、いかにも当時の編集者らしい逸話が登場する。当時の文芸雑誌の短い囲み記事を思い出す。
目次の名前を見ているだけで楽しい。和田芳恵、山本健吉、野口冨士男、浅見淵、稲垣達郎、日夏耿之介、岩本素白、山下清、川浪磐根、杉浦康平、広瀬正、三島由紀夫、坂本一亀、保昌正夫、大久保乙彦、飯田貴司。範囲が広い。そして、魅力的。野口冨士男、岩本素白、広瀬正が並ぶところが面白い。
そういえば、ここ数年、最近の文芸誌を手にしなくなっていた。
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