人間生命の誕生 三木成夫 築地書館 1996年8月5日 初版発行 |
p232
本書は、三木成夫氏の残した文のうち、まだ成書に収録されていないものを集め、生命論・保健論・人間論・形態論の四つの章に分類したものである。
というわけで、内容はもとより、発表先によっても、様々に異なる文章が並んでいる。
目を引いたのが、ゲーテについて述べたもの。
p143 ゲーテと私の解剖学
p211 ゲーテの形態学と今日の人体解剖学
ゲーテが「ファウスト」を封印したことについて。ゲーテファン(いったいどれだけの人がいるのだろうか?)には有名な話なのだろうか。もっとも、「専門の学者すら問題にしない事柄」だそうだから、どうなのだろう?
形態学とからんで、なるほどと思ったのが
p190 「原型」に関する試論 原型とは何か--"おもかげ"の意味について
人間の顔を見て、表情を読めるのはなぜか。変装を見抜けたり、幼い頃の写真から現在の人物を見分けられる理由は何か。さらに、幼児がイヌとネコを見分け、さらにキツネやタヌキなど多種類の動物を識別できるようになるのはなぜか。面白い。
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