[NO.1267] 「學燈」を読む/内田魯庵・幸田文・福原麟太郎ら

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「學燈」を読む/内田魯庵・幸田文・福原麟太郎ら
紅野敏郎
雄松堂
2009年1月1日 初版発行

分厚い。591ページ。しかもそのあとに索引が16ページ続く。机上にぽんと置いても倒れない。この続編もあるのという。すごい。出版社サイトに紹介あり。リンクこちら

紅野敏郎氏が亡くなったのは2010年のことだった。先日読み終わった『文藝綺譚』(坪内祐三著、扶桑社刊)書中に紅野氏を坪ちゃんが激しく毛嫌いしていたことを思い出す。パーティーで会い、嫌みを言われたので言い返すと紅野氏の顔がくしゃおじさん(なつかしい!)のようになったとか。なんだかなあ。

もちろん1ページ目から通読とはいかなかった。文章ももってまわったところが気になり読みにくい。しかし、「學燈」創刊時からのエピソードをここまで綴られるとページを繰る手が止まってしまうところばかり。なるほどね、とうなずくこと多し。

戦前についての興味から読んだのだが、戦後のことも思いがけずなるほどというところが多かった。サブタイトルに内田魯庵と福原麟太郎の大御所に幸田文さんが挟まれている理由が不思議だったが、答えは簡単だった。その後「崩れる」に続く「木」の最初を掲載したのが「學燈」だった。

口絵にある過去の表紙がよかった。