ルポ 貧困大国アメリカ/岩波新書(新赤版)1112 堤未果 岩波書店 2008年1月22日 第1刷発行 |
これまでに報道されていた内容をまとめてある。医療や教育について、単発で伝えられていた内容なので、今さら目新しいことは少ない。しかし、ここまでたたみ込むように「どうだ!」と一度に差し出されると、うんざりする。
公的な機関が請け負っていた内容を民営化するという新自由主義の流れは、今も日本が進んでいること。その本家であるアメリカでは、これまでどのようになっていたのか。その具体例が紹介されている。
教育、医療、保険などの制度が、民営化したために現在ではどうなっているのか。いやはや。しかし、こうした紹介は負の側面をどれだけセンセーショナルに訴えかけるかがポイントになるので、どうもしっくりこないところもある。極端なのだ。
目次
プロローグ
第1章 貧困が生み出す肥満国民
コラム(1) 間違いだらけの肥満児対策
第2章 民営化による国内難民と自由化による経済難民
コラム(2) ニューオーリンズの目に見えぬ宝
第3章 一度の病気で貧困層に転落する人々
コラム(3) 不安の「フード・ファディズム」
第4章 出口をふさがれる若者たち
コラム(4) 誰がメディアの裏側にいるのか?
第5章 世界中のワーキングプアが支える「民営化された戦争」 コラム(5) テロより怖い民営化
エピローグ
初出一覧
あとがき
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