[NO.1043] もっと、狐の書評/ちくま文庫 山村修 筑摩書房 2008年7月10日 第1刷発行 |
本を閉ざして、なにを語るのかといえば、自分のことです。自分の教養、自分の眼力のことです。
"狐"こと山村修氏の凄さがここにある。俗にいうひけらかし、自慢。すなわち
ここに書評家がはまりやすい陥穿が、暗くて陰湿な穴があると私は思うのです。
具体的には次のように指摘している。
読むまえから、すでに書く方向は決まっているのです。すなわち、自分の教養の道すじにちかい著作家(同時代人では開高健、丸谷才一、向井敏など)の本なら可。道すじからはずれる著作家の本は、すべてとはいわないまでも、およそ不可。
これらをまとめて「暗くて嫌味で高飛車なもの」とも呼ぶ。肝に銘ずべし
※ ※
これまでの読書記録を読み返していて、「上記」の記述が目に留まったのでした。どきっとしました。
コメント