[NO.1224] 古書の森 逍遙

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古書の森 逍遙/明治・大正・昭和の愛らしき雑書たち
黒岩比佐子
工作社
2010年6月20日 発行日

昨年11月に亡くなってしまった著者の本。ブログ古書の森日記がご本人によって更新されなくなって、すでに一年近く経つ。

390ページにもなる分厚さ。著者がこれまで古本屋で購入した本の紹介がひたすら年代順に綴られている。のべにして220冊。惜しむらくは村井弦斎関連が多いこと。あまりこの人に関心がないので、できれば他の本ももっと多く紹介していただきたかった。その後、『編集者国木田独歩の時代』で取り上げた国木田独歩のことなど。もともと、黒岩氏はご自分で立てたテーマがはっきりしていたので、それと重なる分野は興味がわくが、それ以外だと、こちらの関心が薄いだけにとっかかりにくいところがある。

200円や300円で手に入れた明治時代の本を嬉しそうに書いているのを読むと、こちらも同じように嬉しくなってくる。おそらく、それらの本に出合ったとき、わくわくして会計に並んだことだろう。