[NO.1209] マイブームの狼

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マイブームの狼
みうらじゅん
毎日新聞社
1997年12月10日 印刷
1997年12月25日 発行

マイブーム元祖みうらじゅんによるマイブームシリーズ本の中の1冊。仏像、怪獣、谷ナオミの三章からなる構成。

本書のベスト作品は巻頭にある「マイ古典落語家」だった。これは何をおいても一読の価値あり。

大きなゴジラの人形を2体も日劇前から中央線に乗って盗んできたというようなお馬鹿な話ばかりが並ぶ中、「カッコイイ」エッセイがあった。p84「ガンコジジイとボク」がそれ。

母方の祖父(饗庭蘆穂)と小学生時代のみうらじゅんとの心温まる交友が描かれている。子どものころにみうら氏の仏像への関心を呼び覚ますきっかけになったという、いい話。で、そのじいさまが書き残した本『京の句碑 上』『京の句碑 中』をネット検索してみた。すると、綜芸舎なる出版社から1985年に刊行されている。おや、年代が合わない。しつこく日本の古本屋サイトでも探したけれども、1985年版しか見つからない。すると、アマゾンで発見。1968年刊行! これなら間違いなさそう。綜芸舎版の方は再刊かもしれない。1968年版の出版社は俳詩「おむろ」発行所。いや、驚いた。著者名は饗庭蘆穂・高橋昌博。みうら氏いわく、饗庭蘆穂が母方の祖父とのこと。で、後者高橋昌博氏というのは祖父の本名かと思いきや、別人のようで、検索すると拓本についての大御所だった。現在もご存命みたいだし。