小さな国のつづきの話/講談社文庫 佐藤さとる 講談社 昭和62年12月15日 第1刷発行 昭和63年1月25日 第2刷発行 |
コロボックルシリーズ完結編。
こんな話があったこと自体を忘れていた。当時、このシリーズは4巻で終わっていたと思っていたのに、この5巻目を見つけて慌てて買った記憶がよみがえってきた。挿絵をみて、初読時を思い出した。そのころ、こんな完結方法をとってくれた作者に感謝の気持ちを抱いたことを思い出す。
これまでの登場人物のその後を上手にまとめてくれた5巻目は、まるで愛読者にとっての作者によるサービスのよう。むらさきの髪の若者たちを出してきたところだけが、新たな発展。
これまでの読者はきっとこの5巻を読みながら、嬉しくならざるを得ない。
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本書のもとになった短篇『へんな子』(「佐藤さとる全集・11」所収)と比較すると面白い。名前がまず違っている。『小さな国のつづきの話』では杉岡正子さんのところが、『へんな子』では松山正子さんになっている。この人が主人公のような存在なだけに、こうして改名されている理由を知りたくなる。そのほかのあらすじは、ほぼ両作品とも同じなのに、なにか理由があるのでしょうか。
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