[NO.1206] ふしぎな目をした男の子

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ふしぎな目をした男の子/佐藤さとる全集・11
佐藤さとる
講談社
1974年6月26日 第1刷発行
1992年8月5日 第9刷発行

シリーズ第4作。
シリーズの中では好きな方だった。タケルという男の子とツムじいの関係がもっとたくさん読みたかった。いつの間にかツムジことウメノヒコが年をとってしまい、その後、二度とタケル君の前に姿を現さなかったのは、ちょっと残念。再開させてあげる場面があってもよかったのに。作者は、そういうところは、びしっと切ってしまう。

山場は水門を開け、夜の町中を池の水が下っていくところだろう。ここは、ずっと覚えていた。汚い水が下水からあふれながら道路をくだっていくのはいただけないかな。きっとごみも一緒に転がりながら流れていっただろうし。できればもうちょっときれいなイメージでいて欲しかったところ。

最後に、清水が戻ってきれいな池がよみがえったので、救われるけれど。