豆つぶほどの小さないぬ/佐藤さとる全集・9 佐藤さとる 講談社 1974年2月20日 第1刷発行 1990年12月10日 第10刷発行 |
シリーズ第2巻。マメイヌ捜しを中心に、第1巻からの続きの話。マメイヌが見つかってから、その調教はどうしたのかが気になった。なにしろ、本書は見つかったところで終わりなので。もちろん、第3巻以降ではマメイヌの活躍も出てくるけれど、そんなには詳しく扱われていない。
本書の特徴としては、主人公クリノヒコ一人称による語りがある。また、通信社が小山の中心のような機能として出てくるが、なんだかガリ版による同人誌のような気分になった。こちらは活字を拾っての印刷なだけに、いっそう魅力的。
オチビさんことクルミノヒメがつくった詩がいい。初読のときから妙に記憶に残っていた。
うめがさいたら うめのはなびらに
うたをかこう
はなびらひとつに うたがひとつ
かぜがみつけて くばってあるく
シンブン シンブン
はなびらのシンブンでもこれは
かぜにあげる てがみなのに
かぜは よめないものだから
シンブン シンブン
はなびらのシンブン
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