[NO.1204] 豆つぶほどの小さないぬ/佐藤さとる全集・9

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豆つぶほどの小さないぬ/佐藤さとる全集・9
佐藤さとる
講談社
1974年2月20日 第1刷発行
1990年12月10日 第10刷発行

シリーズ第2巻。マメイヌ捜しを中心に、第1巻からの続きの話。マメイヌが見つかってから、その調教はどうしたのかが気になった。なにしろ、本書は見つかったところで終わりなので。もちろん、第3巻以降ではマメイヌの活躍も出てくるけれど、そんなには詳しく扱われていない。

本書の特徴としては、主人公クリノヒコ一人称による語りがある。また、通信社が小山の中心のような機能として出てくるが、なんだかガリ版による同人誌のような気分になった。こちらは活字を拾っての印刷なだけに、いっそう魅力的。

オチビさんことクルミノヒメがつくった詩がいい。初読のときから妙に記憶に残っていた。

うめがさいたら うめのはなびらに
うたをかこう
はなびらひとつに うたがひとつ
かぜがみつけて くばってあるく
シンブン シンブン
はなびらのシンブン

でもこれは
かぜにあげる てがみなのに
かぜは よめないものだから
シンブン シンブン
はなびらのシンブン