ムーン・パレス/新潮文庫 ポール・オースター 柴田元幸 訳 新潮社 平成9年10月1日 発行 平成12年5月30日 7刷 |
前世紀末に流行ったポール・オースター。それにしても人類がはじめて月を歩いた夏のことって、また例のあの時代のことか? と思ってしまう。いったい世界中でどれだけ小説の舞台として、1969年7月がを設定されたのだろう。こだわるなあとしか思えない。
同時期を背景に書かれたのであろう、それこそ膨大な小説と本作との違いは、荒野で案内人に置いてきぼりにされた人物が強盗団の一味を撃ち殺して、彼らの盗んだ大金を持ち逃げするところだろう。西部劇から一転、まるでモンテ・クリスト伯のよう。そして、講談か通俗小説のように最後になって主人公の血縁関係が伏線の内容と結びあうところ。
国内でも影響を受けた小説書きがいそうだ。
ジョン・アーヴィングが一世を風靡したように、またポール・オースターも流行した時期がありました。この手の翻訳ものは、今や読まれなくなったのでしょうか。
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