[NO.1197] プリズン・ストーリーズ

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プリズン・ストーリーズ/新潮文庫
ジェフリー・アーチャー
永井淳 訳
新潮社
平成20年6月1日 発行

『プリズン・ストーリーズ』は、ジェフリー・アーチャーが2006年に発表した短編小説集。短編12作を収録している。 アーチャーは1999年に偽証罪に問われ、2001年には実刑が確定し服役しているが、服役・社会復帰後に初めて著した短編集である。 ウィキペディアの紹介記事から リンク、こちら  それにしても、短編小説集がウィキペディアにひとつの項目として掲載されているというのもなかなかないでしょう。

『百万ドルをとり返せ!』以来のジェフリー・アーチャー。(『ケインとアベル』は途中で飽きてしまい、通読できていない。)

この著者、議員さんになったことは知っていたが、その後、刑務所に入ったとは知らなかった。それだけこちらの関心が薄らいだということか。で、塀の中での体験、聞きかじりをもとに書いたという短編集がこれなんだという。(9編中の6編。)残りの3編はそれとは違うが、いずれにしても実話なんだそうだ。

相変わらず、ストーリー作りがうまい。9つもあるので出来不出来はあっても、飽きないで読めた。さすが。実際に英国の塀の中へ入ることなくして、いろいろ体験した気になれる。

些末的なことをいえば、英国の刑務所内での描写が興味深い。刑が軽くなると移されるというシステムも面白かった。ずいぶん待遇がかわるものだ。