[NO.1193] 定本 二笑亭綺譚

nisyoteikitan.jpg

定本 二笑亭綺譚/ちくま文庫
式場隆三郎藤森照信赤瀬川原平岸武臣式場隆成
筑摩書房
1993年1月21日 第1刷発行

本棚に入りきれず、あふれていた中から再発掘。で、また読み返してしまった。中身があまりにも突飛なので、この本自体が奇書に感じてしまう。

昭和モダニズムの時代、MAVOや今和次郎たちの活動と前後しての東京深川で、地主がおかしなことを始めたら、こんなことになってしまいました、というおはなし。なんだか、カート・ボネガットに出てくる寓話のよう。『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』みたいなね。

何度も改訂され出版されている本だが、今回出ているのは藤森、赤瀬川両氏による街歩きがきっかけなのだろうな。あれから30年、今やみんなお年を召してしまっている。

あれまあれまというまに、また全部を読み返してしまった。これで5回くらいは読んだことになるだろう。吉行美容院の建物写真がこんなところに出ていたのを再発見。すっかり忘れていた。吉行淳之介氏のご母堂吉行あぐりさんがやっていた。市ヶ谷駅を出て坂を登っていった左側だったような。こうしてみると、立花隆氏の猫ビルにそっくりだ。

出版社サイトに本書の紹介、目次等あり。リンクこちら