定本 二笑亭綺譚/ちくま文庫 式場隆三郎、藤森照信、赤瀬川原平、岸武臣、式場隆成 筑摩書房 1993年1月21日 第1刷発行 |
本棚に入りきれず、あふれていた中から再発掘。で、また読み返してしまった。中身があまりにも突飛なので、この本自体が奇書に感じてしまう。
昭和モダニズムの時代、MAVOや今和次郎たちの活動と前後しての東京深川で、地主がおかしなことを始めたら、こんなことになってしまいました、というおはなし。なんだか、カート・ボネガットに出てくる寓話のよう。『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』みたいなね。
何度も改訂され出版されている本だが、今回出ているのは藤森、赤瀬川両氏による街歩きがきっかけなのだろうな。あれから30年、今やみんなお年を召してしまっている。
あれまあれまというまに、また全部を読み返してしまった。これで5回くらいは読んだことになるだろう。吉行美容院の建物写真がこんなところに出ていたのを再発見。すっかり忘れていた。吉行淳之介氏のご母堂吉行あぐりさんがやっていた。市ヶ谷駅を出て坂を登っていった左側だったような。こうしてみると、立花隆氏の猫ビルにそっくりだ。
出版社サイトに本書の紹介、目次等あり。リンクこちら。
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