[NO.1135] シュレディンガーの哲学する猫

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シュレディンガーの哲学する猫
竹内薫SANAMI
徳間書店
1998年12月31日 第1刷

Chapter7 廣松渉の章が面白し。「四つん這いのエロ松」!。学生時代のニックネームであり、大森荘蔵がそう呼んだともいう。廣松渉と大森荘蔵が、どんなやり取りをしたのか想像する。

【目次】
プロローグ
わたしは人間だ

Chapter1
ウィトゲンシュタインの章
ラプソディー・イン・ブルー
What is the meaning of a word?――語の意味とは何か?
〈ウィトゲンシュタイン〉
まず言葉ありき。人間世界は言語ゲームであり、
ことばの意味とはその使われ方のことなのだ。

Chapter2
サルトルの章
君は自由だ、選びたまえ
未来に自分を投企して生きる――サルトルの実存主義
〈サルトル〉
実存主義はヒューマニズムである。人間は自ら
つくったところのものになるのだ。

Chapter3
ニーチェ/ソクラテスの章
ブラザーサン・ブラザームーン
創造的な精神を持った超人――ニーチェ
魔性の哲学――ソクラテスの「弁明」
〈ニーチェ〉
神は死んだ。力への意思。永劫回帰。実存主義
の萌芽は価値感の転倒から始まった。

Chapter4
カーソンの章
沈黙の春
環境という名の哲学――レイチェル・カーソン
〈カーソン〉
生態系の破壊、化学物質の恐怖、耐性。
環境哲学の創始者は40年先の世界を見ていた。

Chapter5
サン=テグジュペリの章
カイロの赤い薔薇
私は誰? 自分を探す旅――サン=テグジュペリの「星の王子さま」
〈サン=テグジュペリ〉
哲学とは、子供のころの純粋な心で世の中の不思議を
問うこと。思想を弄んではいけない。

Chapter6
ファイヤアーベントの章
オペラ座の怪人
偏りと闘うアナーキズム――ファイヤアーベント
〈ファイヤアーベント〉
なんでもありの文化的相対主義。哲学と人間への
信頼に裏打ちされたダダイズム。

Chapter7
廣松渉の章
四つん這いのエロ松
四肢の哲学――廣松渉の間主観性
〈廣松渉〉
世界を見ることは、能動的であり受動的である。
モノ的世界観からコト的世界観へ。

Chapter8
フッサールの章
巨大なエポケー
まずは判断停止(エポケー)からはじめよ――フッサールの「哲学の理念」
〈フッサール〉
雑念を払って目の前にあるものの本質を直視すべし。
現象学は対象を知覚する仕方を研究する。

Chapter9
ハイデガー/小林秀雄の章
ひひじじい
存在という名の詩――「ヒューマニズムについて」小林秀雄――沈黙
〈ハイデガー〉
なぜ一体、存在者があるのか。そして、むしろ無がある
のでないのか......。「存在」への真摯な驚き。
〈小林秀雄〉
文系・理系の垣根を越えた真の知。古典物理学からの
パラダイム転換を秘めた文芸評論。

Chapter10
大森荘蔵の章
過去は消えず、過ぎ行くのみ
幽霊も存在するという哲学――大森荘蔵の「過去は消えず、過ぎ行くのみ」
〈大森荘蔵〉
二元論から一元論へ。略画的感性と近代科学という
密画は共生しうるという重ね描き論

エピローグ

参考文献