[NO.1103] 古典籍の装幀と造本

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古典籍の装幀と造本/デザイン製本3
吉野敏武
印刷学会出版部
2006年5月25日 初版第1刷発行

こんな本があったこと、まったく気がつかなかった。デザイン製本」としてシリーズ化されている。他の本も手にしてみたいもの。

著者の経歴が面白し。巻末の記載によれば、

吉野 敏武(よしの・としたけ)
1943年東京生まれ。1959年に宮内庁書陵部に図書修補助手として採用され、その後技官に任官、1986年に修補師長補(主任)、1993年に修補係長、2006年4月に修補師長(補佐)となり現在に至る。装臓と料紙および修補技術について、国内に限らず中国の古典籍も含めて収集、調査研究を進めてきた。1989年に発足した和紙文化研究会には発足当初から参加し、1995年からは運営委員と研究誌『和紙文化研究』の編集委員長を務めている。
現在まで、『和紙文化研究』を始め様々な媒体への執筆、東北芸術工科大学における「古文書・古書籍の修復実習」指導のため集中講義(隔年)のほか、古典籍の所蔵機関や大学などで、数多くの講義、講演を行っている。

16歳で就職している。

中身は「まえがき」に

今までは、書誌学者を始め大学の先生方が、書誌および装幀形態や料紙の研究を発表しているが、最も古典籍に触れる機会が多く、史料を細かに観察できる立場である保存管理担当者や学芸員、図書館員のほか、修復作業をしている方々から発表されたものは非常に少ない。書写印刷された内容だけではなく、古典籍のいろいろな面を観察できる立場からの調査報告書は、装幀形態および料紙の研究にとって重要なことであると考えている。

とあるとおり、きわめて専門的。

目次が実によく、いつものように写し取りたいところ。残念ながら、体調がよくなくて断念。せめてと、巻末の参考文献をスキャニングするにとどめて終わり。索引もいい。