[NO.1079] 科学を読む楽しみ

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科学を読む楽しみ/新書078
池内了
洋泉社
2003年1月22日 初版発行

著者池内了さんは、国際的宇宙物理学者でありながら、決して狭い専門分野にとどまらない広い視野から、科学の楽しさを紹介してくれます。今回は、科学分野でのブックガイドです。

そもそも、どういったいきさつから天文学者が書評集を出すようになったのか、前々から興味があったところ、本書のあとがきに説明を発見しました。

なんでも高校大学のころから活字中毒で、小説めいたものも書いたことがあったのだそうです。けれども、大学院時代に恩師から研究に専念するよう諭されてから、書く方は断念したのだとか。それでも読むことだけは止めずにいて、15年前からは、エッセイや科学評論や書評を書くようになったのだといいます。

p72 「ソーカル事件」をきっかけとするサイエンス・ウォーズについて、関連書として2冊を挙げています。
・『地の欺瞞』
・『サイエンス・ウォーズ』。

いやはや、ここで ソーカル事件 が飛び出すとは、思いもよりませんでした。ポストモダンがもてはやされた全盛期末の潮流を思い出します。現代思想の分野の出来事なので、もともとわかりにくさが先に立っていたのに対して、科学啓蒙に長けた池内さんなは、すっきり。

p144『わたしたちはなぜ科学にだまされるのか』原題名「Voodo Science――愚かさから詐欺までの道」