「空気」の研究 山本七平 文藝春秋 昭和52年4月1日 第1刷 |
どうして今までに読んでいなかったのか、不思議。『日本人とユダヤ人』をリアルタイムで読んでいながら、その後1977年に出版された頃には、興味が別の方面へ向いていたのだろうが。その後、とんと忘れて今日まで来ていたのだろうな。
それにしても、タイトルといい、中身の構成といい、なんともはや。ナメた本。ここから現代のKYなる造語まで影響を与えているとは。
出だしからして、ジャーナリスティック。いわゆる「つかみ」がうまい。道徳教育をネタに、世の常識を突いている。根本は、このつかみに集約されているような。
これまで、だれもが常識としていて、あえて指摘しなかったことを、あらためて取り出して見せたことが、この人の特徴かもしれない。
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