[NO.1014] 過激にして愛嬌あり

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過激にして愛嬌あり/宮武外骨と「滑稽新聞」/ちくま文庫
吉野孝雄
筑摩書房
1992年4月22日 第1刷発行

著者は宮武外骨の甥で、晩年の外骨と子ども時代に同居した方。本書はサブタイトルにあるように、外骨が大阪で出していた「滑稽新聞」にポイントを絞っての内容。

当時の官憲をおちょくったやりとりを、膨大な滑稽新聞の刊行と織り交ぜながら解説を加えてあります。裁判所に呼ばれることを前提に新聞を発刊したという、その意図が面白し。
いかにも明治時代に生きた人物という気がします。その後も有名な「スコブル」を出し、第2次大戦中には、膨大に収集したという絵はがきを一人静かに分類していたのだという。その生き方、いいな。そちらの方が面白そう。

今度は、きちんとそちらのほうを読みなおすことにしましょう。NO.182『学術小説 外骨という人がいた!』(赤瀬川原平著・ちくま文庫)では、ちと弱い。