[NO.182] 学術小説 外骨という人がいた!

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学術小説 外骨という人がいた!/ちくま文庫
赤瀬川原平
筑摩書房
1991年12月4日 第1刷発行
1995年4月10日 第7刷発行

 有名だった本なのに、今まで読んでいませんでした。赤瀬川氏の文章というのは、なんともいえない味があります。変な例えですが、私小説のようで、いったい次には、どっちの方角へ話が進んでいくのやら予測できないところがあり、そこがこの方の魅力なのかもしれません。
 美学校での講義(?)をもとに、外骨の雑誌を面白く扱った内容。今時、古本屋で骨外氏の当時の雑誌が見つかることはないでしょう。古書展やショーケースの中を除いて。
 表紙写真が笑えます。雑誌「広告批評」の骨外特集の際、骨外本人の着物、眼鏡を借りて、赤瀬川氏が骨外になりきって撮った写真だそうです。南伸坊氏に、 この手の写真が多かったですね。清水ミチコ氏のは、モノマネでした。ちょっと趣向は違いますが、妹尾河童氏には、実物大の蝋人形! というのもありまし た。この手のシリーズとして、アンソロジー化すると面白いかもしれません。