[NO.1009] きのふの東京、けふの東京

kinohunotokyo.jpg

きのふの東京、けふの東京
川本三郎
平凡社
2009年11月9日 初版第1刷発行

著者による東京巡りエッセイの最新作。面白し。こうしたエッセイは多数出版されているけれど、数年で大きく姿を変えてしまう東京なので、紹介された先を目指し、いざ足を運んでみると既に取り壊されてしまい跡形もない、ということがよくある。それだけに最近の様子というのは貴重。
もっとも、著者と一緒に散歩している気分を味わえれば、それで満足してしまいそうなので、多くは望まないけれど。

にぎやかでない東京を散策する姿に共感を覚える読者も多そう。きっと固定客が付いていることでしょう。
ひとりでふらふらと歩む川本氏。夕方、赤提灯に入ってゆったりする様子に、心和ませながら読むのは幸せなひととき。

to archives3