[NO.975] 江戸の出版事情/大江戸カルチャーブックス

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江戸の出版事情/大江戸カルチャーブックス
内田啓一
青幻舎
2007年3月15日 初版発行

 ムック判型。当然、図版やカラー写真多し。出版社サイトの紹介が充実しており、目次や代表的な内容も見本として公開済み。すごいサービスです。こちら。申し分なし。

 出版社サイトを見ていると、第二巻「洛中洛外図屏風」、第三巻「江戸のダンディズム」、その後も続けて興味がわいてきます。

 とても本物は手にすることのできない和本も、こうしてカラー写真で見られると至福に包まれます。もっとも、後書き「おわりに」によれば
p113
江戸時代の美術品の多くが博物館や美術館に収蔵されていて、一般の人にはほとんど見ることができないのに対し、江戸時代の出版物の多くは公共の図書館や大学図書館に収蔵されている場合が多い。手続きの煩を厭わないのであれば、閲覧も可能だ。できれば皆さんも一度閲覧して、実際に手にとって見られると良い。和紙を糸で綴った出版物の重みや紙の暖かさを実感できる。さらに墨の摺り具合や、版刻線の伸びやかさも確認することができる。書かれたもの、直筆を大切に思い、印刷された(摺られた)ものをやや軽視する風潮があったことも事実だが、いずれにしても三○○年もの前の出版物がこれほど多く残っている国もない。江戸の出版物は世界文化遺産クラスであると私は確信している。
 たしかに、神保町あたりの和本専門店だけでなく、地方の古本屋さんにも和書は残っています。汚いのも多いけど。