パリの日本人/新潮選書 鹿島茂 新潮社 2009年10月25日 発行 |
面白し。文人(と絵描き)でない人々が対象であることが、本書の眼目。うまい着眼。
p12
というわけで、本書は文学と美術以外の分野でフランスに留学(遊学)した、日本人の足跡をたどることを目標とするが、その焦点は、一つの例外(稲畑勝太郎)を除いて、パリに絞ることにする。パリこそは、異邦人にある種の特権的な覚醒を呼びおこさずにはいられない都市だからである。
どの人物をとっても、読み応えあり。楽しい読書の時間でした。出版社に紹介サイトあり。面白いのは、書評も掲載しているところ。
「コレクター・石黒敬七」なんて、坂崎重盛氏の本にはしょっちゅう出てくるのではなかったっけ。極めつけは「妖婦(ヴァンプ)・中平・武林・宮田文子」。山本夏彦氏の本で概要は読んでいたけれども、あらためて紹介されると、いやはや。
やっぱり「明治の元勲・西園寺公望」が傑出。滞在年数が桁違い。やっぱり資金でしょうか。
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