[NO.898] トムは真夜中の庭で/岩波少年文庫

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トムは真夜中の庭で/岩波少年文庫
フィリパ・ピアス 作
高杉一郎 訳
岩波書店
1975年11月26日 第1刷発行
2000年6月16日 新版第1刷発行
2002年10月4日 新版第5刷発行

 風邪で寝込んだときの読書のシメに選んだのが本作。これは念願の読書でした。機会を逸してしまい、ずっと読めなかった本です。意外にも内容はタイムトラベラーものだったのですねえ。いや、立派なSFですよ。ジャック・フィニイ風といったら誉めすぎかな。最後にはしっかり感動させていただきましたし。児童書という先入観から、高をくくっていました。

 可笑しいのが、主人公の服装がパジャマだってこと。こればっかりは、ちょっと工夫して欲しかったところ。著者はこの小説を書くにあたって、タイムパラドックスをはじめ、いろいろ困難な課題があったことでしょう。なんとかそれらの課題(矛盾)を回避させようと努力をしてこられたのに、パジャマはいただけないでしょう。

 主人公を見ることができる人物に、どうして庭師のアベルも追加されたのでしょうかねえ。

 それと、挿絵のセンスがどうも。スーザン・アインツィヒ。ハティがかわいそう。