好きなもの、苺、コーヒー、花、美人、ふところ手して宇宙見物

 京成電鉄・堀切菖蒲園駅前に店舗を構える古書店「青木書店」のサイト内エッセイ「ユーコさん勝手におしゃべり」の中、5月25日にほのぼのとした文章。勝手ながら以下引用

5月25日  コーヒーがおいしいとうれしい。15歳で自分用にサイフォンを買ってからずっと、サイフォンで淹れるコーヒーが一番好き。毎日の楽しみのひとつはコーヒーを淹れる時間だった。  サイフォンの上ボールは時々壊れる。形もいろいろで、自分に使い易いもの扱いにくいものがあるので、壊れる前に買い置きを用意しておいたりした。ところがそのストックがない時に上ボールを割ってしまった。サイフォンは調理台の上でけっこう場所をとる。コーヒーを淹れる以外に使い道がない。ガラスなので割れると危ない。等の意見も周囲からあり、しばらくペーパードリップの生活をおくった。やかんを変えたり少々の工夫もした。  でも、やっぱり...。  注文したサイフォンが自宅にやってきた日、頭の中で 「好きなもの いちご コーヒー 花 美人  ふところ手して宇宙見物」 の寺田寅彦のことばがずっとリピートしていた。  経済効率より精神安定。  好きなものに接して触れて、適度に頭を使って、適当にねじをゆるめて生活してゆくのが、一番いい。

 そういえば数年前、青木書店へ一緒に行った知人が堀切菖蒲園に雨の中、でかけてきたと自身のブログに載せていた。菖蒲も今が盛りか。

 布表紙で新書版サイズの寺田寅彦全集を愛読したのは中学校の図書室でのこと。例の俳句をネット検索すると理研サイトへ。

黒田正夫の研究室(当時の眞島正市研究室)に寺田寅彦の苺を盛った水彩画の色紙があり、ローマ字で「好きなもの、苺、コーヒー、花、美人、ふところ手して宇宙見物」と書き添えてあった。

と紹介。

 で、このページ内に寺田寅彦を扱った戯曲集。こりゃあ、ぜひとも読まねば。

東京原子核クラブ フユヒコ/マキノノゾミ戯曲集
マキノノゾミ 著
小学館

 サイホンって、捨てたなあ。ミルも。