[NO.788] 谷中、花と墓地

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谷中、花と墓地
E.G.サイデンステッカー
みすず書房
2008年4月25日 印刷
2008年5月16日 発行

 読んでしまってから、あーあ、終わってしまったなあと嘆息。もっと読み続けていたかった本。

 東京に永住を決意したあと、亡くなったとのこと。存じませんでした。お住まいは無縁坂のマンションとのこと。ここだったのかな。

p149
 かつては、小津映画の登場人物を感じさせるような日本人と割合日常的に出会っていたように思う。だが、年月を重ねるごとにその機会はどんどん減っていった。
 妙に残る内容。小津映画の大ファンであると。
 それにしても、山本夏彦氏が笠智衆を頭から毛嫌いしている理由はなぜなのでしょう。山本氏の著書には訛り云々が理由とありますが、それだけ?

p173
「翻訳しているときに、原作者と相談することがあるのか」としばしば問われる。谷崎・川端両先生の場合は前述のとおり。紫式部先生とはお会いすること自体が不可能だった。一番愛した永井荷風先生とは結局会わなかった。愛することと尊敬することとは、私にとって同じことではない。もっとも尊敬しているのは紫式部先生だが、愛しているのは荷風先生である。
 「サイデンさんが一番愛していたのは荷風だった」、という評はこれが出典?

 返す返すも残念なのはほとんど初出と年月日が不明なこと。編者あとがきにも原因は書かれていますが、上野のれん会の発行する雑誌「うえの」以外は不明とのこと。

 出版社サイトに目次あり。