ぼくらの東京物語/貧乏は正しい! 橋本治 小学館 1996年2月20日 初版第1刷発行 |
相変わらずの橋本節が全開。自分の頭で考えたこと(だけ)を述べているという。とばし読み、斜め読みをしにくい。文章も冗舌体に加えてまわりっくどい。けれども、一度その流れ、ペースに乗ってしまうと、途中で止められなくなってしまう。言っていることも、そうなんだよ、と簡単に納得。頭の中にすらすら流れていくのだけれども、それまでに時間がかかるのが難。そんないつもの橋本治氏の文章です。いやあ、読了までに日数がかかりました。
うろ覚えの記憶に寄れば、小林信彦氏のエッセイで紹介されていたことがきっかけで手にしたはず。意外に思ったものです。小林信彦氏と橋本治氏の取り合わせ。なんだか奇妙な。バブルによる弊害、東京オリンピックを象徴とする以後の変化など、このあたりが気に入ったのだろうと思うところもありましたが。なんといっても、本書の特色は橋本氏一流の分析の面白さ。オリジナルなのかな。どこかにネタがあるのでしょうか。
小林氏の東京もの関連に書かれていたような。
「貧乏は正しい!」シリーズの幾つかは読んでいたけれど、これが一番面白かったかな。地方と東京をネタに、話は思わぬ方角へ飛んでゆきます。あれっ、と思う地点に着地するけど。っと、文体まで影響され。
橋本治氏関連で、とんでもないサイトを見つけました。こちら。頭が下がります。閉鎖しないでください。とお願いしたくなる内容。すごい。
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