[NO.775] 江戸にフランス革命を!

edonofuransukakumeiwo.jpg

江戸にフランス革命を!
橋本治
青土社
1989年11月20日 第1刷発行
1989年11月30日 第2刷発行

 出版当時、話題になっていたものの手にできず、やっと読むことができました。面白くて、もっと早く読めばよかったと後悔。

 江戸ものの面白さもさることながら、p317私の江戸ごっこ」が秀逸。橋本氏ご自身の大学卒業後について記述。東大国文科を卒業後、試験で英語の点が足りないばかりに大学院に入れてもらえず、美術史の「研究科」なるところへ通っていたという時代の話。

 『明治の芳年』は私が二十六歳の時の文章で、今から十五年前の『美術手帖』誌に発表された。のだそうです。これを読んで以来、該当誌を古書店で探していますが、なかなか見つからず。

 橋本氏が十代のころから熱中していたのは「歌舞伎」なのですか。そういえば、『本棚が見たい!3』(川本武・甲斐武佳・野辺律子著、ダイヤモンド社)の中に、橋本氏の本棚が写真入りで出ていました。ここ。
 『大南北全集』全17巷、塚本邦雄の本、春陽堂『日本戯曲全集』。魅力的。書棚の写真に何度も目を凝らして見入った記憶があります。こうした本を持っていることも羨ましかったけれど、さらにこうした本を集めることに気づいた橋本氏(それも十代から二十代のとき)に、嫉妬心を感じます。